第11回日本がん検診・診断学会習熟講習会のご案内

日本がん検診・診断学会
認定医制度委員会

この度、がん検診認定医の方々及びがん検診に関わる医師を対象に、日本がん検診・診断学会習熟講習会を下記の要領で開催いたしますので、認定医資格を得られた方は是非ご出席くださいますようご案内いたします。本講習会を受講されますと、5年後の資格更新に必要な教育研修単位合計50単位のうち25単位を取得できます。

多数の方々のご出席をお待ちしております。

本講習会は、認定医資格をお持ちでなくとも、日本がん検診・診断学会会員あるいは関連7学会会員であればどなたでも受講できます。

第11回習熟講習会受講申込フォームはこちら

日時2018年1月20日(土) 14:00〜17:20(開場 13:30)
会場日本大学病院 5階 大会議室 (東京都千代田区神田駿河台1-6)
受講料5,000円(当日会場で徴収します
事前申込締切  2018年1月10日(水)正午まで

プログラム

14:00〜14:05開会挨拶
小川 眞広(認定医制度委員会委員長)
14:05〜15:05『がん検診・診断に関する医療訴訟』
日山 恵美(広島大学 大学院法務研究科 教授)
15:05〜15:25質疑応答
15:25〜15:35休憩
15:35〜16:35『がん微小環境の理解と、微小環境標的を目指した新たな診断・治療法の展望』
落合 淳志(国立がん研究センター 先端医療開発センター センター長)
16:35〜16:50質疑応答
16:50〜17:20総合討論

講師のご紹介

日山 恵美 先生

広島大学 大学院法務研究科 教授

『がん検診・診断に関する医療訴訟』

<ご略歴>
平成5年大阪大学法学部法学科卒業
平成16年海上保安大学校海上警察学講座講師
平成17年広島大学大学院社会科学研究科法律学専攻博士課程後期単位取得満期退学
平成20年海上保安大学校海上警察学講座准教授
平成23年広島大学大学院法務研究科准教授
平成28年広島大学大学院法務研究科教授

<講演要旨>
がん検診・診断に携わる医療者のリスクマネジメントにおいては、法的期待に応えたものであることが必要です。しかし、一方では、法的期待が医療の専門家からすれば妥当ではない場合には異論を唱える必要があります。いずれにせよ、法的期待についての知見が必要となります。そこで、がん検診・診断に関する法的期待はどのようなものなのか、ということについて、判例データベースにて検索した平成年代の裁判例の分析結果――非専門家である裁判官がどのようにして医療者の注意義務の有無を判断しているのか、判断の際にどのような事情を考慮しているのか、注意義務違反の有無の結論を分けているポイントは何か、といった注意義務違反の有無の判断について、検診時か一般診療時か、初診時か再検査時か、といったがん診断の場面における注意義務の内容等――を、できるだけ具体的事例を交えて説明いたします。


落合淳志先生落合 淳志 先生

国立がん研究センター 先端医療開発センター センター長

『がん微小環境の理解と、微小環境標的を目指した新たな診断・治療法の展望』

<ご略歴>
昭和60年〜62年 日本学術振興会特別研究員
昭和61年広島大学大学院 学位取得(医学博士)
昭和62年広島大学医学部第一病理 助手
昭和62年広島大学医学部第一病理学 講師
昭和63年西ドイツハノーバー医科大学実験病理
アレクサンダー・フォン・フンボルト招聘研究員
平成3年国立がんセンター研究所病理部研究員
平成5年国立がんセンター研究所病理部室長
平成10年国立がんセンター研究所支所臨床腫瘍病理部部長
平成17年国立がん研究センター東病院臨床開発センター臨床腫瘍病理部
平成22年独立行政法人国立がん研究センター東病院臨床開発センター臨床腫瘍病理部
(独立法人化に変更)
独立行政法人 国立がん研究センター東病院 病理・臨床検査科科長 併任
平成24年独立行政法人国立がん研究センター東病院臨床開発センターグループ長
(診断開発兼バイオバンク担当)臨床腫瘍病理分野分野長
平成25年独立行政法人国立がん研究センター中央病院病理・臨床検査科科長 併任
平成26年独立行政法人国立がん研究センター研究所副所長 併任
基盤的臨床開発研究コアセンター長 併任
中央・東病院 病理・臨床検査科統括科長 併任
平成27年国立研究開発法人国立がん研究センター(国立研究開発法人化に変更)
平成28年先端医療開発センター長

<講演要旨>
がん組織はがん細胞と、線維芽細胞、炎症細胞、血管構成細胞とこれら細胞が産生するコラーゲン等の細胞外基質から構成されており、正常組織に比べがん組織の酸素濃度は低く、代謝も正常とは大きく異なっていると考えられている。近年、がん細胞と間質線維芽細胞との相互作用により構成されるがん微小環境が浸潤・転移などのがん生物像に影響を及ぼしている事が明らかになってきている。特に、近年の免疫チェックポイント阻害剤は、これまでの化学療法や分子標的療法など直接がん細胞を標的にする治療薬ではなく、がん微小環境に存在する免疫細胞とがん細胞の相互作用を標的とする治療法であり、一部の症例ではきわめて有効な治療法として確立されている。がん微小環境を理解し微小環境とがん細胞の相互作用を標的とする診断法や治療法の開発がまたれる。

一方、がんの微小環境を構成する線維芽細胞はその起源や生物学的働きはこれまで良くわかっていない。一般に、線維芽細胞は、紡錘形の間質充填細胞として理解されているが、これまで間質線維芽細胞の亜分類はなされていない。我々は全身諸臓器から線維芽細胞を初代培養し、同一の条件で培養後遺伝子発現プロファイルを検索・分類を試みたところ、消化管を構成線維芽細胞は他の臓器ならびに部位に特徴的な発現プロファイルを示していた。また、がん細胞培養上清の刺激により、異なる生物像を示す事が示され、線維芽細胞は亜分類される必要性があると思われた。特に、消化管の非がん部の大腸粘膜下および漿膜下の線維芽細胞を初代培養し、がん細胞とともに免疫不全マウスに移植すると漿膜下組織における線維芽細胞は粘膜下線維芽細胞に比べ、がん転移を促進し、異なる遺伝子発現プロファイルを示した。このように線維芽細胞に様々な機能を有しているが、実際にがん間質線維芽細胞といわれるものは、きわめて不均一であり、がんの増殖を促進するものとがんの増殖を抑制する細胞が同一のがん間質細胞に存在している。また、EGF受容体変異陽性の肺腺がんの線維芽細胞にはEGF受容体キナーゼ阻害剤の効果を促進する線維芽細胞と抑制する線維芽細胞が存在することも明らかにしてきた。また、がんの浸潤における線維芽細胞の役割も、がんの浸潤を促進するだけでなく、がん細胞の浸潤に先立ち間質へ動く線維芽細胞が存在することも明らかにして来た。生体内には異なる生物像を有する臓器固有線維芽細胞が存在し、がん細胞との相互作用により部位に存在する線維芽細胞と新しい微小環境を創り出すと考えられた。特に、漿膜下線維芽細胞はがん細胞の進展をだけでなく炎症や免疫微小環境に大きな影響を与えていると考えられた。

がん微小環境における特徴的な生物像を理解し、新しい診断・治療法を開発することは、将来的ながん予防にもかかわる需要な情報を提供することが出来ると思われる。


お問い合わせ先

日本がん検診・診断学会事務局
株式会社クバプロ
〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3-11-15 UEDAビル6F
TEL : 03-3238-1689
FAX : 03-3238-1837
E-mail : NPO法人日本がん検診・診断学会へのお問い合わせ


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