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胸部単純X線を用いた肺がん検診の評価は何が問題なのか? (19分)

講師 : 中山 富雄 先生
国立がん研究センター がん対策研究所 検診研究部

※第30回日本がん検診・診断学会総会 プレウェブセミナーのオンデマンド配信期間は終了いたしました。

<概要>
胸部単純X線を用いた肺がん検診の有効性評価については、長く議論が重ねられている。1970年代に行われたMayo Lung Projectは、研究群の過剰な罹患数の増加、コンプライアンス、コンタミネーションなどさまざまな問題が以前から言われていた。それを解決するためPLCO研究では、検診相終了後10年以上の長い追跡期間を設けた。その結果最終的には肺がん死亡率減少効果は認められなかったものの研究開始から5〜7年目は10%前後の肺がん死亡率減少効果が認められている。無検診による長すぎる追跡期間の設定はdilution effectと呼ばれる検診効果の減弱を招く。大腸・乳・子宮頸がんのような前がん病変や上皮内がんを検診で発見できる臓器とは異なり、肺がんのような浸潤がんを発見する検診の場合、この影響が大きく、最適化した追跡期間の設定が検診の効果の適切な評価につながる。

<講師ご略歴>
平成元年 大阪大学医学部卒業
平成3年 大阪府立成人病センター 呼吸器内科 常勤医
平成29年 大阪国際がんセンター がん対策センター疫学統計部 部長
平成30年 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 検診研究部 部長
令和3年 国立がん研究センター がん対策研究所 検診研究部 部長
現在に至る。



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